遠賀川のもたらす肥沃な沖積平野のおかげで、古代より稲作の先進地として栄えた筑豊は、日本国内での鋳銅(ちゅうどう)技術発祥の地としても知られています。
江戸時代には、長崎街道の宿場町として流通の動脈となり商業文化発展を担い、明治時代に入り石炭発掘が盛んになると、日本近代化の原動力としてこの国を支えました。
国内最大の産炭量を誇った「筑豊炭田」は、その歴史がまさに日本の近代史そのものと言えます。
その恩恵を授かり、当時高価なものだったお菓子製造が流行り、『千鳥饅頭』や『ひよこ』『チロルチョコ』で有名な松尾製菓等、数々の菓子工場ができました。
また、炭坑夫が好んで食べたとされるホルモン等、独特な食文化の発展を遂げ、彼らが楽しむための施設も多く誕生し、
中でも『嘉穂劇場』は炭坑夫や庶民の娯楽の殿堂 として愛されてきました。
閉山から40 年が過ぎ、かつて炭都の面影は失われつつありますが、石炭が育んだ数々の遺産は、まちのあらゆる場所に今も息づいています。
これらの文化遺産を活用し筑豊を盛り上げたい。その新しい息吹です。

閉山から 40 年。
この国のエネルギー源となり、日本近代化を支えたこの筑豊も、いまではその華やかな時代の面影はなく、「元炭坑のまち」として衰退の一途を辿っています。
ホルモンの発祥に由縁が深く、全国でも希有なお菓子処として栄えた歴史。芸能の登竜門と言われた嘉穂劇場の存在。
これだけの歴史的土壌があるのだから、それらをもっと活用してこのまちを盛り上げることができるのではないか。その起点となるまち興しプロジェクトです。
嘉穂劇場や映画館といった、まちに親しまれている施設を使用してのライブイベント。店とまちが一体となり筑豊のルーツを味わう参加型グルメイベント。
炭坑での照明である『カンテラ』を意識した数万本規模のキャンドルナイトは、この国のこれからのエネルギーのことを考えます。
日本で最も栄えた一時代を築いたその文化を、誇りを、筑豊内外の人間にいま一度発信し、それらを体感してもらうことで、 筑豊の負のイメージをプラスに変えることができる。 そして、すべてのイベントを通し、これからのエネルギーのこと。環境未来のことを考えるきっかけをつくりたい。
一過性のものではなく、これを継続し発展させていくことで、かつての繁栄と栄光を 取り戻す“新たな光”が生まれると信じています。

GOTTON とは、筑豊発祥である炭坑節の唄のひとつであるゴットン節(チョンコ節)の中で出てくる「合いの手」のフレーズです。
同じく筑豊の夏祭り・盆踊りの唄としても定番である「月が出た出た」のイメージをロゴに取り込んでいます。